印鑑登録制度

印鑑登録制度について

 印鑑登録とは国や自治体に予あらかじめ印影を登録し、そこから印鑑登録証明書を交付してもらい、契約書などに捺した印鑑が自分本人のもので間違いないことを証明するシステムです。昔は役所が契約書に捺された印と登録印を見比べて証明書を発行する「直接証明」でしたが、現在は印鑑証明書を受け取った当事者自身が印影を見比べる「間接証明」となっています。
 印鑑登録の制度は個人の場合、地方自治体の条例に基づいており自治体によって内容が異なります。一方、法人の場合は国の制度として統一されています。

印鑑登録の方法

個人の場合、登録できる年齢は15歳以上であれば登録できます。一般に未成年者が法律行為をするには親権者の同意が必要ですが、印鑑登録の場合は15歳以上であれば1人でも行えます。ただし成年被後見人とみなされる場合は登録不可となります。
 印鑑登録にはハンコの所有者本人の申請が必要で、原則として同一世帯で同じ印鑑は登録できません。登録印も1人1点と限られます。また、ハンコなら何でも実印にできるわけではありません。登録できるハンコは各市町村役場によって様々な決まりがあります。
 規定の内容は各地で異なりますが、印影が不鮮明なものや、文字の判読が困難なもの、外枠が欠けているものは不可。また「印影の大きさが直径8mm以上25mm以内の正方形に収まるもの」と定めている自治体が多く、この範囲内に収まっていれば丸や四角、長方形などの形も登録できます。
 ハンコの素材にも規定があり、ゴム印やイモ判など変形しやすいものは登録できません。大量生産された既製の認印(三文判)も、同型印が存在する可能性があるため、実印としては不向きと言えます。(既製印を登録不可という自治体もあります。因みに旧六郷町では、姓名両方の文字を入れなければ登録できません。)
 登録印の内容(印面に彫る文字)は戸籍上の①氏名、②苗字、③名前のいずれかが完全に表示されたもの、④苗字に名前の一部を付けたもの、⑤苗字と名前の頭文字同士を組み合わせたものと決められている。例えば戸籍名が徳川家康の場合、①徳川家康、②徳川、③家康、④徳川家、⑤徳家の5種類が登録できます。(市町村により異なります)
 外国人も登録が可能です。登録方法は簡単で、居住している自治体の役所で「外国人登録原票」に記載されている名前が彫られたハンコを登録申請するだけです。自治体によって多少の違いはありますが、基本的に日本人の印鑑登録とほぼ同じです。
 印鑑登録すると、印鑑登録証明書が交付されます。この証明書は主に不動産登記や自動車登録、公正証書などに使われます。
 一方、法人の印鑑登録については、商業登記法20条1項の規定で「登記の申請書に押印すべき者(会社の場合は代表取締役など、組合の場合は理事など)は、予めその印鑑を登記所に届け出なければならない」とあります。
 法人の代表社印を法務局へ届け出る手続きのことを「印鑑届」と呼び、基本的に会社設立の登記申請と同時に行います。印鑑届は、所定の届出書と添付書類などを法務局(会社の本店所在地の法務局、地方法務局など)へ窓口持参するか、郵送で提出します。この手続きには、印鑑届書のほか、代表者(会社設立登記を申請する人)の実印(個人の実印)、代表者の印鑑証明書(市役所が発行する個人の印鑑証明書)などが必要になります。代表取締役複数いる場合は、その中から一人、会社設立登記の申請人を選びます。
 法人の場合は法務局に申請が必要です。併せて「印鑑カード」の手続きも行います。これは会社の代表者印の印鑑証明書を交付申請する際、本人の同一性を確認するためのカードです。申請書に、商号(会社名)や印鑑提出者(代表者)などを記入し、「登記所に提出した印鑑」の欄に押印して提出すれば交付されます。





◇印鑑(はんこ、印章)の種類◇

・個人印(個人用の印鑑)

実印
銀行印
認印
訂正印
など

・法人印/会社印(法人用の印鑑)

代表印/代表者印
角印/会社印/社印
会社銀行印/法人銀行印
割印
など


◇印鑑(はんこ、印章)の素材◇

象牙(種類は多種、採取した部位により印材の価値が変わります)
芯持ち象牙
大角牛(旧名:オランダ水牛)(主に2種類-白い飴色をした印材と、飴色の中に茶色や黒の模様が入っている印材)
黒水牛
薩摩本柘
アカネ(旧名:シャム柘)
アグニ
マンモス
など